歴史の押韻 2021 3 14
書名 劣化する民主主義
著者 宮家 邦彦 PHP新書
「歴史は繰り返さないが、押韻する」
著者は、民主主義の劣化を嘆く。
確かに、その原因は、既存の政治エリートの統治に疎外感を覚える
庶民の「逆襲」にあるかもしれません。
しかし、昔に比べて、
政治も行政も複雑化・高度化しています。
だからこそ、有権者である市民は、
政治や行政の仕組みを学ばなければなりません。
しかし、テレビ番組を見れば、
グルメにファッションなど娯楽番組であふれています。
このような状況を見れば、
「政治は、政治エリートにお任せである」と、
政治エリートは勘違いして、自分たちに都合の良い政治を始めるでしょう。
民主主義を維持するには、
有権者が勉強しなければならない。
もし、有権者が勉強しないと、
「パンとサーカス」の政治になってしまいます。
権力者からみれば、庶民には「パン」を与え、
「サーカス」という娯楽を与えれば、支配できると考えるでしょう。
政治に不満がある。
社会に不満がある。
しかし、テレビのスイッチをつければ、
そういう不満は、すぐに忘れてしまう。
これでは、政治エリートだけでなく、
有権者も劣化していると言わざるを得ないでしょう。